咳

こんばんは。インフルエンザが猛威を振るっていますが、百日咳も流行って来たなどとも言われます。インフルでない方は「咳が出て仕方がない」、「喘息と言われた」といって来院される方がおられます。この咳が起こるメカニズムは鍼灸では肺気と肝気のアンバランスから来ると説明しています。肺気は呼吸によって気を引き降ろします。肝気はこれとは逆に気を上昇させます。人が健康な時はこれらのバランスが取れているのですが、風邪などを引くと肺が弱り、肺気の作用も同様に弱ります。この時、肝気に影響がないがない場合、後者の肝気が前者よりも強くなるので上逆して咳が出るわけです。或いは肝気が一方的に強くなる場合もあります。花粉症、喘息の一部がそれに当たります。咳の種類といった語弊があるかも知れませんが、どんな時に咳が出るかというと①風邪の症状、②花粉症の症状、③喘息、④冷え、⑤加齢により喉に異物がひっかかりやすいなど、⑥疲労の症状などです。①、②、③の咳の病理はほぼ同じで先に述べたものです。なお、付け加えると、③の喘息には虚実があり、ここでは「一部」としたのは実証のことを言います。虚証の喘息は当院では原則お断りしています。④は①と関連しますが、常に身体が冷えて慢性的に風邪をひき続けている方です。これに似たエピソードがあります。何十年も前、祖父、藤本和風が百日咳と診断された叔母を診て、冷えだと診断し、治してしまいました(故人ですので、診断、治したの言葉はお許しください)。⑤、⑥は似ていて加齢したり、疲労すると喉の機能が弱り、異物が引っかかりやすくなって起こることが多いようです。

施術の流れですが、①は風邪の除去、②花粉症を消失、寛解目的で施術を行う、③は当院ではほぼ風邪でしたので①に準じます。④は陽虚もあるので陽気を補い、風邪を除去します。⑤、⑥は腎虚となりますのでその施術を行います。なお、今、流行っている百日咳は和風が消失させたものとは異なる可能性があることを付記しておきます。鍼灸では、人、時、場所で原因が異なるとしているからです。以上です。最期までお読みくださり、ありがとうございました。