日本的な、余りにも日本的な…肩凝り
2025/05/29
こんにちは。今回は肩凝りについてです。この肩凝りは日本人特有の言葉で諸外国(ヨーロッパはもちろんのことお隣の中国でさえ見当たらない)には、訳語はあるもののこの言葉に相当する用語はないそうです。このことは『歴史の中の病と医学』(雄山閣出版刊)、所収の論文「肩こり考」に記載されています。その内容を要約してみますね。肩凝りという言葉は江戸時代に成立し、一般に広まったようです。その当時、「気の弱り」だけでなく、「気の滞り」も病気の元となるといった医学思想が経済の循環思想(金銀を貯めると死蔵する)と符合し、その平和な時代の勤勉思想(安逸にふけると気の滞りができるから、適度に働く方が健康に良いと言われた)になり、元気をある程度貯蓄したなら、今度は流通させると考えが一般的な考えになったと書かれています。また、江戸時代の前は肩凝りを痃癖といい、もともと脇腹に出来るシコリのことを指しました。日本の医家たちは四診合参を建前としながらも、腹診を重視するものが多く、これを行い、腹のしこりを揉んで癒やしました。この腹のしこりは、慢性化すると背部に表れます(これは東洋医学的に正しい)。そこで背中や肩を揉むようになったそうです(小児の腹痛を肩を揉んで治したと記録にあります)。こうして、しこりが凝りとして他覚的にも自覚的にも認識されるようになり、かつその当時、按摩師が数多くいた事も肩凝りを広める要因となったようです。また、病は不摂生の習慣の累積であり、長く生きれば生きる程、重くなり取れにくい、といった思想は近代から現代にかけて、西洋医学が広まるにつれて無くなっていったが、身体感覚の変容は緩慢なため肩凝りが残ったのではないかという事です。さて、日テレ系(関西では読売系)の『世界の果てまでイッテQ』で女芸人のイモトがアフリカ(だったと思います)に行ったとき、現地の呪術師に「あたし、肩が凝ってんのさ、肩凝りを治してほしいのよ」と通訳を通じて訴えていましたが…。後はお分かりですよね。
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高見鍼灸整骨院
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