解体旧書(『臓腑経絡詳解』解説)②
2025/03/18
解体旧書(『臓腑経絡詳解』解説)②
肺の図は傘にも見えます。ですから、心の蓋、五臓の蓋とも表現されます。
また、肺そのものを華蓋(天子の傘)と呼びます。傘の故に外気の影響を受けやすい。加えて、心(には逆に影響を与えられやすいことがある)や他の臓腑に影響を与えやすいことがわかります。それは肺の臓の中に二十四の空竅があり、蜂の巣のようになっていて、呼気すれば濁気を出すことで肺葉が縮み、吸気すれば清なる気で肺葉が膨れる、この運動を繰り返すことで清濁の気を交換するだけでなく、体内の五臓に清なる気を周回させ、これらの濁なる気を肺に戻す、かつまた、吸収された水分を全身に散布し、濁なる水分は腎に送り、尿として出すからです。これらの働きを宣発・粛降と言います。
なお、肺と大腸は表裏関係にあり、肺の粛降作用が大腸の煽動運動を助けているのです。これらのことから風邪を引くと尿が出にくくなり、便秘をしたりすると説明できるのです。#鍼灸#肺#生理#病理#風邪#排尿障害#便秘